山口百恵「夢のあとさき」1980.07.20②「秋桜」さだまさしインタビュー

さだ氏の百恵分析そして予言とは?「あっけなく嫁ぐ、とってもいいこと」

◆さだまさしさんご本人のメッセージ 

ラジオ「夢のあとさき」は、1980年4月6日から1980年10月5日までニッポン放送他から放送されました。番組開始時すでに、山口百恵さんが三浦友和さんと結婚すること、百恵ちゃんは芸能界を引退することが公表されていました。10/5最終回は「武道館ファイナルコンサート」が行われた日です。)

「秋桜」誕生秘話後半。さだまさしさんが音声で登場です

(山口百恵さんのトーク)

ところでこのさださんは、この「秋桜」という歌、そしてあたしについて、どんな風に思っていたのでしょうか。聞いてください。

(さだまさしさんのトーク)

さだまさしです。
えーー「秋桜」という歌を書いた頃のいきさつなんですが(笑)
あの曲を書く1年以上前に1度依頼されまして、その時には山口百恵という人をまったく僕は認識してなくって、所謂とっても人気のある若い女性の歌い手というぐらいの認識しかなかったわけなんですけど。

それ以来、どういう人であるかということをつかもうとした。で、、、それでね。僕はあの人のために曲を作るときに、その人に合わせて曲を作るっていうのはとてもじゃないけどできないんですよね。

だからその辺ですごく悩んでたんだけども、山口百恵がやはり、これは紛れもないこれは「天才」ではないかという結論に、やっぱり自分の中で達したときに、そうかそれであれば、俺がどんな曲を書いても彼女は自分の歌として歌いこなすであろうと。それでまあ、引き受けまして、スタートしたわけです。

じゃあ作ると決めたら一体どんな曲を作ろうか。それについてやっぱり山口百恵についてじーっとね、言動その他をね本で読んだり、あるいは本人の表情を見ているうちにね、あの実に彼女は「芸人」であるということに気がついたんですな。

素直じゃないのね、あの人はおそらく。まあ素直じゃないというのは、所謂画面上において、山口百恵を演技しているんじゃないかという気が僕はする。実際に山口百恵という本物の山口百恵がいて、その山口百恵があの大スターの「山口百恵」を演技しているという気がどうしても未だにするわけです。


実は、とってもね、繊細でさ。なんかツッパらかってるみたいな歌を歌ってた時期があったからね、そういう印象があったかもしれない。とっても繊細な娘で、感受性豊かで。ただそれを表にあらわしたりなんかすることに照れを感じる類の人で。

したがって、ああいう演技をしてると、そういう種類の人間って一番楽なんですよ。すごく感受性が強くてもそれを、自分が感情を表に出すことに照れを感じる種類の人間って必ずある。彼女はそういう人種だろうと、おそらくたぶん自分に似てるんだろうと、決めたわけですね。

それで、じゃあ本音を吐くときには一体どういうときかというと、それは明らかにこれが本音だとわかって恥ずかしくない相手の前でしか本音を吐かないんだろうなと思ったりした。で、かなり芯の強い人だろうから、うっかりしたことでよろめいたりして見せることはしない人だろう。

だけど彼女はええ、、、やがてだれかの元へ嫁ぐ。僕はあっけなく嫁ぐと思ってたんだけれども。やっぱりあっけなく嫁ぐね。これはとってもいいことだと思います、彼女にとって。実に、僕の夢描いていた山口百恵の通りだったしね。

その時の、「結婚前夜」を僕は歌ってやろうと思ったわけです。これは作るときにはかなり山口百恵を意識したんですね(笑)。それでまあたぶん、僕の想像の中での山口百恵はこう感じるであろう、こう言うであろう。まあそういうところからの歌ですね。

自分としてはとっても気にいってる歌です。でまた、山口百恵さんに歌ってもらって良かったなと今思っております。

(【ラジオ番組】ニッポン放送「夢のあとさき」/パーソナリティ:山口百恵1980.07.20 放送より)

◆「山口百恵」を観察して、さだまさし氏が思ったこと 

さださんの『山口百恵』人物評、まとめるとこんな感じです

・まぎれもない天才

・どんな曲でも自分の歌として歌いこなす

・実に彼女は芸人である

・素直じゃない

・本物の山口百恵が大スター山口百恵を演技している

・実はとっても繊細な娘

・感受性豊か

・感情を表に出すことに照れを感じる種類の人間

・かなり芯の強い人

どうですか?
どんな感想をもつか
人それぞれかなと思います

◆(筆者感想)さださんの山口百恵評 

私が思ったことですが、
やはり鬼才さだまさし、ちがいますね
自信に満ちている

もう少し言い方が、、、
と思うけれど
結局は感動してました私

山口百恵の肝を
ズバリ、あっさり
見抜いて言い放ってしまった
と私には思えます

公共の電波に乗せていいの?
と危ぶむくらい
本質をきっと言い当てている

「感情を表に出すことに照れを感じる種類の人間
たぶん自分に似てるんだろうと」
さださん自身も同類だと
だから見えてしまう

さださんのおはなし自体
照れや寂しさを隠して
少し距離を置いてるみたい
でもやさしさも感じました

それから創作家としての喜びも
やはり大変感じていらっしゃるのだと
思います

さださんは作品だけじゃなく
人間洞察付の、はなむけトークでも
人を泣かせるんですね、、、
文字だけでは伝わらないかもしれませんが

この放送回の前半に出てきた
百恵ちゃんの、さださん及び曲の印象は

・ほっそりして、線の細い印象

・まわりの歌い手さんとなんか違うな、、、

・こんなに繊細な世界、女として歌ってみたい

でした

さだまさしの世界は
本物の山口百恵の
琴線に触れたのでしょう

◆大事な嫁入り道具のひとつ「秋桜」

さださんのお話を受けて、百恵ちゃん

(百恵ちゃんのトーク)

どうもありがとうございました。

そうですね、今、もちろんステージでもこの歌ずっーと歌ってますけれども、実際自分が、あと半年もない間に嫁いでいく。そういう中で、日々生活の中で見ている母の表情とかそういうものも、前とはどうしても違ってきてしまうんですよね。

っていうことになると、この歌っていうのは、現時点ではとっても歌うのが辛い部分が出てきてしまった歌の1曲なんですけれども。

何はともあれこの歌は、歌を辞めてからのあたしにとっても、ホントに「横須賀ストーリー」と同じぐらいね、ひとつの財産になる歌なんじゃないかなってそのぐらいの重みを感じてるんです。

ですから本当に、嫁ぐ前の日に、この歌をそっとね自分の部屋で口ずさんでみたいな、なんて今ふと思ってますけれども。

あたしのとってほんとに大事な、お嫁入り道具のひとつかもしれません。

「秋桜」聞いてください。

♩曲~「秋桜」(歌:山口百恵、作詞:さだまさし、作曲:さだまさし、編曲:萩田光雄)(フルコーラスかかる)

(【ラジオ番組】ニッポン放送「夢のあとさき」/パーソナリティ:山口百恵1980.07.20 放送より)

◆(筆者感想)「秋桜」という曲 

「秋桜」発売は1977年10月
曲の依頼が1年前ならば
まだ百恵ちゃん17歳
「横須賀ストーリー」のあとでしょうね

さだまさしさんは
「彼女の結婚前夜の歌を」
「本音を言えるお母さんへ」
そんなコンセプトで作った

4年後、百恵21歳
さだ氏の予想通り
あっけなく嫁ぐ

土に蒔いた種は育ち
花を咲かせ
花嫁を寿ぐ

生みの親、さだまさしは
21歳で嫁ぐ百恵さんを
「とってもいいこと」
「僕の夢描いていた山口百恵の通りだった」と

まさに歌に込めた本心を種明かし
これ以上ないはなむけの言葉です

なんでしょう
こういうつながりって

音楽を創り出す者と
表現する者の
卓越した才能の連携というか
そんなものに出会えた気がします

卓越した才能といっても
心がそこになければ
生まれなかったと思います

◆まとめ

(さだまさしインタビュー)

  1. 「本物の山口百恵」と「大スター山口百恵」について語る
  2. 山口百恵分析から生まれた「秋桜」のコンセプトを明かす
  3. 「山口百恵は繊細で感受性豊かで、感情を出すことに照れを感じる人」と見た
  4. 予感的中、あっけなく嫁ぐ!これは「彼女にとってとてもいいことだと思う」
  5. 「秋桜」を山口百恵さんに歌ってもらってよかったな

(山口百恵コメント)

  1. 嫁ぐまで半年もない今、「秋桜」を歌うのが辛い
  2. 歌を辞めてからも、「横須賀ストーリー」同様「秋桜」もひとつの財産になるだろう。それほど重みを感じている
  3. 嫁ぐ前の日に「秋桜」を自分の部屋で口ずさんでみたい

(筆者感想)

  1. 山口百恵をさだまさしはズバリあっさり見抜いてしまった。とても共感し感動しました
  2. さださんの手によって生まれた「秋桜」は思惑どおり花を咲かせ、花嫁・百恵さんを祝いました
  3. 「僕の夢描いてた通り」と喜ぶさださん。やさしさと創作家としての喜びを感じました


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