山口百恵「夢のあとさき」1980/05/25 初舞台『ミュージカル・黒い天使』

◆ロックなLP発表!「とことん派手な衣装にしたい」百恵ちゃん 

(※ラジオ「夢のあとさき」は1980年4月~1980年10月(引退)まで放送されました。山口百恵さんが芸能界を去ること、三浦友和さんと結婚することが公表された後、百恵ちゃんがパーソナリティを務めた唯一のレギュラー番組です)

冒頭のあいさつから始まります

(ラジオの百恵ちゃんトーク)

最近わたしの中で、ひとつの欲求が膨らんできてるんです。あ、いえ、、、(笑)別に愛情問題ではございません。悪しからず、はい。

あの実はステージ衣装のことなんですけどね。以前、あたしのファッションっていえば、結構大人しいドレスが多かったと思うんですが。ところが最近あこがれているのが、沢田研二さんの衣装、まあアンルイスみたいだったり、、、。

とにかくとことん派手にいってみたいなっていう気持ちがうわ~っと強くなってきて、我ながらちょっと驚いちゃってるんですよね。まあ、今回のニューアルバム『メビウス・ゲーム』がロックで飾られているからでしょうか(笑)。

みなさんあっと驚く派手なアイディアがあったら、ぜひぜひお教え願いたいと思います。毎日ファッション雑誌とにらめっこしている山口百恵です。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。さて今日も「夢のあとさき」でお楽しみください。

わたしの生きてきた道を綴る「ザ・ストーリー」。今日はわたしの初舞台、「新宿コマ」のお話しをしたいと思います。題して「ブラック・エンジェル」

(【ラジオ番組】ニッポン放送「夢のあとさき」/パーソナリティ:山口百恵1980.5.25 放送より)

・ニューアルバム『メビウス・ゲーム』

1980年5月21日発売。1曲目には、シングル盤で同じ日に発売された「ロックンロール・ウィドウ」が入っています

アルバムの帯に書かれているコピーは『終りあって終りなし 百恵のワンダーワールド!!』

「メビウスの輪」って裏と表がつながっていてぐるぐる終わりがない。それにちなんでこの言葉なんだろう、と私は解釈してました。レコードもA面⇔B面の音が続いてました。

今気づいた!

『終わりあって』、、、引退のことを暗に言ってたのですか!?なんとファンキーな!40年近く経って「終わりなし」は真実でした。

◆大舞台でワンマンショー「百恵ちゃんまつり」にこめられた願いとは?

続いて本題の初舞台のはなしになります。

(ラジオの百恵ちゃんトーク)

♪曲~「夏ひらく青春」かかる
(歌:山口百恵、作詞:千家和也、作曲:都倉俊一、編曲:穂口雄右)

昭和50年6月10日発売の「夏ひらく青春」。この歌が流れている頃、あたしにとってこれまた大きなお仕事、「舞台」に初チャレンジというチャンスがやってきました。

もうみなさんにもすっかりおなじみになった新宿コマの「百恵ちゃんまつり」なんですけれども。それまで、小さなコンサートっていうか、まあいろいろな地方を回ってのステージっていうのをやってたんですけれども、大きな舞台での、まして「ワンマンショー」っていうのは初めてだったんです。

で、あの、、、そうですね、あたしはデビューしてすぐっていうかたちではそういう「ワンマンショー」を待たずに、逆に3年経ってからだったんですね。まあ自分の中ではもうちょっとあとでも良かったなっていう気持ちがその時あったんですけれども。

でもやはりまわりのいろいろな歌い手さんたちがワンマンショーをやってる中で、自分も、ああそのワンマンショーっていうステージを踏めるんだなっ、そういう嬉しさがとっても大きかったと思うんですが。このステージの企画を聞いたとき、自分で正直言って果たしてやりきれるだろうかって思ったんですね。

ま、歌だけではなく、ミュージカルっていう形でのステージを作らなければいけない。まあその全部通してのその「百恵ちゃんまつり」っていう、そうですね総称といいますか、タイトルっていいますか、これが言ってみれば、ええ本当に単純なタイトル(笑)ではありますが、小田制作部長がつけたんですね。

で、このタイトルは永久に使いたい、20才になっても百恵ちゃんまつり。「百恵ちゃん」っていつまでもファンの方たちに呼ばれるタレントであってほしいっていうそういう願いからつけられたものなんです。

ええあたしの新宿コマのステージっていうのが、一部二部と分かれていて、一部は「ミニ・ミュージカル」。毎年いろんなテーマを変えてやってますね。ちょっと歌舞伎っぽい土蜘蛛をやったりとか、幼稚園の保母さんをやってみたりとか、、、修道院の女の子をやってみたりとか。去年は「クレオパトラ」をやったんですけどもね。

まあかなり毎年、話題といいますか、とても大きくいろんな意味で、あの、観てくだすっている方が多いんですが。

(【ラジオ番組】ニッポン放送「夢のあとさき」/パーソナリティ:山口百恵1980.5.25 放送より)


・「3年経ってから初挑戦」

1973年5月
デビュー曲「としごろ」発売(14歳)
1975年6月
9枚目シングル「夏ひらく青春」発売(16歳)
1975年8月
第一回「百恵ちゃん祭り」新宿コマ劇場(16歳)

デビューから2年とちょっとで
ミュージカル初挑戦のようです

機は熟したといったところでしょうか
密度の濃い2年間でした
本人の実力も
スタッフのバックアップ力もすごい

◆【対談】ミュージカル「黒い天使」ウラ話!宮下康仁氏と百恵ちゃん 

ここまで一人で語っていた百恵ちゃん
突然宮下康仁さんが登場!

「百恵ちゃんまつり」の第一部ミュージカル「黒い天使」の脚本や劇中歌の日本語訳などを手がけた人です

偶然にもその宮下さんが、ラジオ「夢のあとさき」の構成も担当されていたそうです


(ラジオの百恵ちゃんトーク)

初めての年、わたしは「黒い天使」というミュージカルを演じることになったんですが、まあ、言ってみればそう「女暴走族」という役柄で、あたしの中ではかなりのとまどいがあったんですね。

で、まあなぜこんな内容になったのかとか、、、それからいろんなね、この「黒い天使」という題材に決まるまでのいきさつなんていうを、奇しくもですね、この番組の構成をしてる宮下康仁さんが、その当時、あのショーの構成もねやってくだすって。

全部いろいろと、ホントに偶然なんですけれども。そういうめぐり会いがあったので、今日はあの、、、スタッフとしてのいろんなこと、まあ作っていく制作者側のいろいろなことを教えていただこうと思って。いやがるのを無理にスタジオに引っ張ってきちゃいました!(笑)

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百恵:あの、、、どうもこんばんは
宮下:どうも。宮下でーす

百恵:ふふふ、、、かわいらしい声してるでしょ、なーんて(笑)。はい。あのそれで、このミュージカルの脚本を書いてくださったんですけれども、まあ「黒い天使」という題材が決まるまでの過程っていうのをちょっと教えていただけますか。

宮下:あのねーだからまず百恵ちゃんっていう個性を(百恵:ええ)どういう風に生かそうかっていうのをみんなで、プロデューサーとか演出者とか全部で話し合ったときに(百恵:ええ)、ちょうどその頃ほら、百恵ちゃんのライバルみたいな感じで見られてたのが淳子ちゃんなんですね(百恵:そうですね)。

宮下:で淳子ちゃんがなんか「白い天使」っていう感じがある。ももちゃんはどっちかっていったら「黒い天使」じゃないか(百恵、笑)。まず、どっかちょっと影があって、(百恵:う~ん)なんかこうパーっと明るい個性じゃないと(百恵:うん)逆にじゃあそういう個性をもっと生かそうと(百恵:ああ)

そこでだからちょうど当時ねちょうどまだ暴走族がすごかった。(百恵:かなり社会的に問題になってた時期だったんですよね)逆にねそういうものをね、逆手にとってね、こう、、、かなり衝撃的なステージを作ろうと(百恵:ああ)

それでなんか、ああだから百恵ちゃんはその影の部分とか(百恵:うーん)、逆にそういうところとすべてがうまくマッチして(百恵:うん)それでまあ暴走族みたいなのをテーマに(百恵ああ)「黒い天使」と(百恵はい)。こうもうツッパリムードでね(百恵、うふふふ(笑))革ジャンでとにかくいこうと(百恵ええ)。

で、もうひとつは、まあタレントだったら(百恵うん)、だれでも目立たなきゃいけない(百恵うははー!言えてますね~)。それでとにかく週刊誌にね(百恵うん)なみいるスターをおしのけて(百恵、笑)載るにはどうしたらいいかと。

「新宿コマ」をいかにね(百恵うん)週刊誌に撮らせるためには(百恵うん)、なんか百恵ちゃんにすごい目立った格好をしてほしい(百恵うん)。それでこうオートバイにまたがった百恵が、大の男たちをはりたおす(百恵、はは(笑))と。こういう感じなのね。

百恵:なるほどね。あの、言ってみれば当時その仕事っていうのが、まああたしと宮下さんの出会いであったわけなんだけれども。その時にまあ、いつもいろんな方そうだと思うんですけれども、初めての例えば歌い手さんの演出であったり、構成であってりね、なにか作っていくことっていうのは、意外と苦労が多いと思うんですけど、そういう点で苦労したとこって?

宮下:いや、、、あのね(百恵うん)その企画の段階がスゴイ苦労したけどね(百恵うん)、そのあとはわりと(百恵うん)その、、、なんか信じられないくらい(百恵うん)うまくいったと思ってるのね。(百恵ああなるほどねぇ、、、)だから、それがだからやっぱりその当時の百恵ちゃんっていうものの個性と(百恵うん)うまくあってたんじゃないかな。

百恵:そうですね。あの、宮下さん覚えてらっしゃると思うんですけどねー。まあ宮下さんもちろん、ねぇ制作者として、幕があいた、その開演したときにちょうどステージ見ていらしたでしょ。

そのときに、黒い革ジャンを着て、革のズボンをはいてね、「ルシア」で、あの、、、コマっていうのは盆っていって回り舞台なんですけど、回り舞台がぐる~っとまわりながら歌いながら出てきたときに、

あの、もっと当時は男性ファンが多くて、うわ~っていう感じでくるかなーと思っていたら、意外とシーーンとしたなかでお芝居を観てくれた人たちが多かったんで、驚いたというエピソードがありましたでしょう?(宮下うん)

宮下:だからね、ぼくもあれでわりと驚いてね(百恵うん)なんかこうため息とも驚きとも(百恵、笑)言えないようなね(百恵うん)うわ~~みたいな感じが、こう、、、会場中にあって(百恵うん)

そいであの一瞬でなんか(百恵うん)やっぱり芝居する百恵ちゃんってものに(百恵うん)お客さんが入り込んでってくれたんじゃないかな(百恵うん)って気がするんです。

百恵:そいであの、そうですね幕が開くまでっていうのは本当にいろんな意味で、作っているスタッフの人たちも、それから一緒に舞台の上でうわーっとやってる人たちも、すごく大変なことが多かったんだけれども、

まああの時は、当時の舞台関係の中ではかなり型破りなことをしたと思うんですよね。例えば、あの、映画の撮影用の10キロのライトっていうの、これは普通劇場には使えないんですよね。(宮下うん)

あの消防車、消防署の方にちゃんと届けを出して、許可をもらうのがすごく大変なんですけど、これを使ったりとか。あと、ステージの上を550CCのバイクを2台ね、走らせたりとか、かなり型破り

宮下:そりゃもうドキドキもんで(笑)

百恵:ねぇー。ああでもリハーサルの時に実をいいますと、そのオートバイが客席へボーンと突っ込みそうになりましてね。まあ、、、なんか見てるスタッフの方が冷や冷やしてて、もし本番、客席に突っ込んだりしたらねー、ケガ人も出るし、一時は止めようかって話も出たんですよね。

でも、もうそれは運を天にまかせてやってみようという、ね? あの、、、制作スタッフの方たちの強い意志でもって、それはあの、、、結果やったんですけども、ホントにね、やってよかったなっていう気がね、(宮下うん)やっぱりありましたし。

まあ今年も新宿コマ劇場のステージがあったりして、まだ内容は決まってないんですけれども、あの、宮下さんにもね、ぜひいろいろ参加していただいて、またよろしくお願いしたいと思います。

宮下:こちらこそ
百恵:今日はどうもありがとうございました。

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えーというわけで、今日は宮下さんに、いろんなエピソードがありますでしょ!ええ、、、それをうかがってみましたが。来週はそのステージで共演した大石吾郎さんのお話しとともにお送りしたいと思います。

今日は、この「黒い天使」のテーマ曲を聴いていただきたいと思います。

(【ラジオ番組】ニッポン放送「夢のあとさき」/パーソナリティ:山口百恵1980.5.25放送より)

・会話から見る山口百恵 

とても貴重な会話だったと思います

お互い相手の話を聞きながら
あいづちを打ったりする

百恵ちゃんは頻繁に
合いの手を入れてくる
()にしてほぼ全部記てみました

・宮下:パーっと明るい個性じゃないと(百恵:うん)

生身の自分のことを目の前で
こんな風に言われている

それを少し遠い別の場所で
受け止めつつ

重要なのは「山口百恵」を
売り出すこと
プロデュースすること

「このキャラクターをどうするか」と
スタッフ側の目で
一緒になって見ようとしている

百恵:笑い⇒う~ん⇒うん

自分であるがブランドでもある
この間を動いていく百恵ちゃん

そんな微妙な一面が見えた
やりとりだなと感じました

◆まとめ

  1. オリジナル・アルバム『メビウス・ゲーム』リリース直後の百恵ちゃんトークです
  2. 初めて大舞台でワンマンショー!とっても嬉しいでもやりきれるだろうか?と百恵ちゃん(16歳)
  3. いつまでも「百恵ちゃん」と呼ばれるタレントになってほしいという願いを込めて「百恵ちゃんまつり」
  4. 「初舞台」の題材がどうして黒い天使?女暴走族?そのわけを宮下康仁さんにインタビュー
  5. 型破りな舞台。映画撮影用ライト、550ccバイク2台!もうドキドキもんだった
  6. 「山口百恵」をどんな風にみなさんに提供していこうか?という視点へと真剣に加わっていく「仕事人・百恵」が会話から見えた

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