引退コンサートの「This is my trial」

◆山口百恵『伝説から神話へ BUDOKAN…AT LAST』

私の持っている DVD の背表紙には
こう書いてあります

―-------------

山口百恵
伝説から神話へ BUDOKAN … AT LAST 1980.10.5.

―-------------

背表紙を広げると前後にも文字が、、、

―-------------

【前側】
ありがとう 幸せになります
百恵 涙の絶唱

一九八〇年十月五日
(完全オリジナル版)

日本武道館
さよならコンサート・ライブ

【後ろ側】
一九八〇年十月五日、日本武道館。
山口百恵は鮮やかなピリオドを打った。
想い出のヒット曲の数々で綴られた
感動のライブ・ビデオ。
今、燃えた青春の一頁、
ここに再現。
SONY MUSIC Direct(Japan)Inc. MHBL117

―-------------

今年は2020年。
百恵ちゃんのラストコンサートから
40年という年月が経過したことになります。

引退から40年?
もうそんなに経ったのか…
「燃えた青春の一頁」、
コンサートの様子を
もう一度じっくり見てみようと思いたちました

◆「0VERTURE」そして百恵ちゃん歌いながら登場

【武道館さよならコンサート】
幕開けは、
演奏だけの「OVERTURE」
ステージの明かりがともりました

舞台の奥に何十人もいると思われる
オーケストラ奏者が
服部克久さんの指揮にあわせて演奏している

2分に満たないこの序曲が終わると
再びステージは暗転
微かな弦の音が鳴り続けている

ゆっくりピアノのソロ演奏が始まる
会場から掛け声、ざわめき

ピアノのイントロは
「This is my trial(私の試練)」です
歌:山口百恵、
作詞・作曲:谷村新司、
編曲:服部克久

舞台中央の1か所に明かりがついて
樹木を模したような門から
(しなやかな竹が何本も
大きく弧を描いてる感じの木)
歌いながら百恵ちゃん登場!

会場から
わーっと悲鳴まじりの声
拍手

衣装はやさしいゴールドのドレス
ひざを丁度隠すぐらいの丈です
ハイヒールもゴールド
左手にゴールドのマイクを握り
ゆっくり前に進んでくる

右足、左足、一歩一歩前へ
まっすぐ足をそろえて出すかと思えば
最後の数歩はすごく交差させて出している

なんのため?
ちよっとわからないけど
とにかく最後はちゃんと立ち止まります
(歌はぐらついたりしない)

足の運び方に目を奪われていたら
いつのまにか
マイクは右手に持ち換えていました


「ただひたすらに」
のところで持ち替えたようです

2コーラス終わって間奏
場内を見渡す百恵さんの
おだやかな笑顔

◆「This is my trial(私の試練)」~声もGood!

引退発表後の百恵さんの活動は
過密スケジュールと言われていた
実際、超過密スケジュールだったようです

だから、いちファンの私でさえ
「百恵ちゃん身体こわさないで。のど傷めないでね」
と心の中で心配していたくらい

今も、
コンサートの1曲めが始まるとつい
「声の調子どうかな。疲れが出てないかな」
と思ってしまいました

ところが、、、いい声です!
体調良好ないつもの山口百恵ヴォーカルが聴こえてきました

やはりステージに望むために
ケアをしたのだろう

歌を20曲以上歌って
動き回ってトークもして
1つのピリオドを打つ

その準備に
ぬかりはなかったのだろう
と思わせる
1曲め「This is my trial」でした

◆思い出したこと① ドラえもんのあの道具

若い頃のわたしが、
この歌を聴いてなにを考えたか…
思い出してしまいました

その雑感の中のいくつかを
挙げてみます

1つめは、、、
「This is my trial」って
ドラえもんのひみつ道具の
「ガリバートンネル」だなぁ
と、思ったこと

こんな道具です(手書きですいません)

大きい口から小さい口に向かって進むと人体やそれに付随している物(洋服など)が小さくなる。(省略)元から小さいものをトンネルの小さい口から入れると、巨大化して大きい口から出てくる
(ドラえもんのひみつ道具(かま-かん)Wikipediaより)

「小さい口からいれると巨大化して大きい口から出てくる」
⇒「This is my trial」は、
最初は小さめの声だったはずなのに
ラストに向って大きな声になってる

クレッシェンド(だんだん強く)が
曲全体に自然な感じで効いていて
終盤とても壮大な歌になっているみたい

「あれー?!いつのまに?」
ってホント驚く
だから「ガリバートンネル」を
イメージしたんですね
(まだ高1。15歳だった)

【追記】
百恵さんの音楽プロデューサー
川瀬泰雄さんの著書の
「this is my trial(私の試練)」のところに
次のような記載があることに気づきました。

間奏の後で転調するのだが、よくある半音上げるという形ではなく、思い切って1音も上げているのだ。

これが実に効果的な転調となり、ダイナミックさをより強調している。

(『プレイバック 制作ディレクター回想記音楽「山口百恵」全軌跡 』(川瀬泰雄氏 著)P338より引用)

はい。
たしかに転調があることは
うっすらわかっていましたが
「1音も」上げていたんですね

これがガリバートンネルか!
ダイナミックさの原因が
40年後に判明

◆思い出したこと② しょっぱなに否定?

2つめの雑感は、

「え?この歌詞を歌っちゃうの?」
…です

次のような歌詞があります


This is my trial
わたしのゴールは

数えきれない人たちの胸じゃない

(歌:山口百恵、作詞:谷村新司、作曲:谷村新司、編曲:服部克久)

生涯ただひとりの伴侶を得て
結婚生活に入ろうとする
百恵ちゃんの心境を考えると

「ゴールは数えきれない人たちの胸じゃない」とは……?
観衆へのある意味「否定」?(笑)

だからって「失礼ね!」とはならず
「そうなんでしょうね……」と
お客さんはちゃんと飲み込んでいるのでしょう
(意外と気づいてないとか)
ちゃんと気づいてる!
それかいろんな思いがあふれて歌詞が頭に入ってこないケースも

ステージ上から客席へむかって
この詞をくりかえし歌ってる状況って、客としては居心地の悪さがある
歌う方だって、、、。

しかも、しょっぱなの歌ですよ

作詞をした谷村新司さんらしさを
感じないでもありません
「trial」を「試練」としたり
決して甘くない

暗いとかネガティブとか
世間的にはなんであれ
おのれの思った通りを表現して
そんな自分を凝視する

他の歌の例はあげませんけど
谷村氏のこういう表現が
私はすごく共感できて
ハマりました(笑)

「This is my trial(私の試練)」にも
谷村さんの辛口傾向というか
まっすぐ言葉にあらわす特徴が
出ている気がします

「濡れた舗道を」という歌詞は、
「深夜、一面闇のように黒く
濡れた舗道で
降りしきる雨にその素顔を晒そう
そこからが
孤独な試練のはじまりだよ」
、、、そんなふうに言ってるみたい

もしかしたら「試練」って
コンサートを見守っている
私たち客に
突きつけている言葉だったかも、
なんて

◆まとめ

  1. 「百恵さま引退」1980年⇒「今」2020年。もう40年?
  2. 「伝説から神話へ BUDOKAN … AT LAST」DVDを見てみることにした
  3. 「OVERTURE」からピアノソロ「This is my trial(私の試練)」百恵登場!
  4. 1歩1歩舞台中央へ歩いてくる百恵ちゃん。おだやかな笑顔は要チェック
  5. 超過密スケジュールを心配していたが、歌姫の声はいつも通り「いい声」だった
  6. 「This is my trial(私の試練)」はドラえもんの「ガリバートンネル」のイメージだったが(高1の筆者)1音分の転調の効果だったと知る
  7. 「数えきれない人たちの胸じゃない」と舞台から観客にむかって歌うってどうなの?と微妙な気持ちになっていた(高1の筆者)
  8. ネガティブを恐れず辛口傾向の谷村新司さんの詞には共感してハマってしまう(筆者)
  9. 「lonesome trial- 孤独な試練」とは……見送るファンたちに突き付けていた言葉だったとも思えてくる

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