山口百恵「秋桜」を聴いてみました

◆「秋桜」~『花ざかり』B面1曲め

アルバム『花ざかり』B面1曲めは、
1977年10月1日発売のシングル
秋桜」です

「秋桜」
歌:山口百恵
作詞:さだまさし
作曲:さだまさし
編曲:萩田光雄

レコードはアナログ盤(ドーナツ盤)
ジャケット写真の裏面には
さだまさしさんの手書きによる歌詞が
書かれていました

◆何十年も聴きつづける名曲の中の「おかあさん」

イントロのピアノは
やわらかい透明感があって
陽だまりに揺れる可憐な花と
冷ややかな秋の風を感じます

ギター、
マリンバ、ストリングス、
日本的な郷愁に誘われて
絵本のページをめくっていく
そんな期待感

丁寧に歌う山口百恵の
ことばに耳を傾けると
縁側にすわる「おかあさん」がいました

縁側でアルバムを開いては

わたしの幼い日の思い出を

何度も同じ話繰り返す

ひとりごとみたいに小さな声で

「秋桜」(歌:山口百恵、作詩・作曲:さだまさし、編曲:萩田光雄)

この歌は
聴き手がどんな状況にいるかで
詩の響きが変わってきたりします

親と暮らしている子供時代に、、、
結婚を間近に控えて、、、
結婚して、あるいは親元から独立して、、、
子を持つ親になって、、、

何年も何年も聴いていると
ぐるっと一周、
もう全部の心情になってしまい
なんか人生の不思議さを感じてしまう

私は中学生の時「秋桜」を聴いて
たぶんこんな感じでした
「アルバム見て同じ話?」
「うちのおかあさんもやるやる(笑)」
「ホント聞きあきたわ」

そんな自分がやがて子供を持つと
子供の写真を大事にアルバムにまとめて
時折手に取ってめくりながら
「ほらこれ!この時はね…」って
同じようにやってる

◆「秋桜」このフレーズが決定打

「秋桜」の歌詞の決定打は
この最後のフレーズだと思うのですが
どうでしょう

こんな小春日和の 穏やかな日は

もうすこしあなたの子供で

いさせてください

「秋桜」(歌:山口百恵、作詩・作曲:さだまさし、編曲:萩田光雄)

「もう少しあなたの子供でいさせてください」

自分が親になっても
いつまでも子供のまま
おかあさんを思う

もしかしたらおかあさんも
自分のおかあさんを思って
この歌を聴くのかもしれません

ところで、
『山口百恵のシングル曲』の中で
一番多く聴いた曲は
一番泣いた曲は
なんですか?

私はたぶん「秋桜」です
一番泣いたのも「秋桜」ダントツ

やっぱりさだまさしさん

(それにしてもキーが高い)

◆発売前に聴いた「秋桜」~あの日のテレビ放送

1977年8月27日~31日、つまり
レコード発売より約1ヶ月前に
 ※ 「第3回 百恵ちゃんまつり」の舞台上で
「秋桜」を歌っていました

これが初披露かもしれません
(地方公演などは未チェックです)

百恵ちゃんの友だちが
同じ18歳で花嫁さんになった
その時の花嫁さんのお母さんの様子
どこかさみしそうだった


… という内容のトークのあと

「秋桜」聴いてください

と言って歌います
レコード発売前の初披露なのに
新曲として紹介していないのが
疑問ですが(CDではカットされてるだけ?)

この公演は当時テレビ放送されて
私は見ていました
そしてカセットテープに録音していました
(カセットはもうない)

その記憶では
「追伸」と「秋桜」の2曲を歌ってくれて
「新曲です」という紹介があったような…

どうしてそう思うかというと、

テレビを見終わった私は
録音テープを聴いて
「追伸」と「秋桜」の歌詞を
ノートに書き記したんです
かちゃかちゃ一時停止しながら
(サンリオのタイニーキャンディのノートでした)

書きとめているうちに、
「あれ?新曲ってどっちだっけ」
ってなった

「たぶん秋桜かな…?」
「レコードが出たらわかる」
「2曲とも覚えよう~!」
そんな風に思った記憶があるから

「秋桜」との最初の出会いが
これです(42年前)

「追伸」は
グレープ(さだまさしさんと吉田正美さん) の歌で
百恵ちゃんがカヴァーしていたのだと
あとで知りました

「追伸」とてもいい歌です
ぜひ「秋桜」とセットで
聴いてみてほしいです

※「第3回百恵ちゃんまつり」
『五周年記念特別公演 百恵ちゃんまつり』

1977年8月27日から5日間
新宿コマ劇場で開催
第1部:ミュージカル「蜘蛛の里」
第2部:ヒット・パレード「百恵と共に」
CDタイトル『MOMOE IN KOMA』

◆「秋桜」を聴き比べてみたら……

1977年 シングル盤「秋桜」

オリジナル(スタジオ録音)

1977年 CD『MOMOE IN KOMA』(第3回百恵ちゃんまつりライブ音源)の「秋桜」

◆シングル盤より「テンポが遅い(ゆっくり)
◆シングル盤より「キーを落としている(低い)
◆1番「心配いらないと、笑った~」「笑った~」の前に一呼吸だけ入る
◆2番「突然涙こぼし」やや劇的(1979や1980の元型)「元気でと」(泣き)セリフ化せず
◆2番「子供でいさせてくださ~」~~」長めに歌う
◆全体に暗め、語尾は伸ばしめ揺らし多め、エモーショナル(悲壮感、シャンソン的)

…チェックポイントはこんな感じでしょうか
(注)感覚で比較してます

1978年 CD『百恵ちゃんまつり ’78』(第4回百恵ちゃんまつり)の「秋桜」

◆シングル盤より「ややテンポが遅い」(1977より速い)
◆シングル盤より「キーを落としている」
◆ピアノが控えめながら際立っていて美しい(1977と比較)
◆1番「心配いらないと………笑った…」は溜め(しみじみ感慨。1979の元型)
◆2番「突然涙こぼし」弱劇的「元気でと」「…元気で」完全にセリフ化(溜めて)
◆2番「子供でいさせて~…ください」「ください」(ふと闇に消える感じ)
◆明るめでほどよい情感のこめ方、暗さ悲壮感は消えている(1977と比較)

1979年 CD『山口百恵リサイタル -愛が詩にかわる時-』の「秋桜」

◆シングル盤より「テンポが遅い」
◆シングル盤より「キーを落としている」
◆アレンジが一新。ピアノとストリングスが美しい
◆1番「心配いらないと………笑った」溜め(空へ溶けるよう、ピアノとの協演)
◆2番「突然涙こぼし」劇的。「…元気で」完全セリフ化(やさしい母の愛情漂う)
◆2番「子供でいさせて…くださ」「短く切る(素の百恵がいる。理屈抜き胸を打つ)
◆ライブの緊張感、ビロードのような声質、包むようなあたたかさ。精神性。

1980年 CD『伝説から神話へ -BUDOKAN…AT LAST-』の「秋桜」

◆シングル盤よりかなり「テンポが遅い」(ライブ盤中最も遅い)
◆シングル盤より「キーを落としている」
◆弦楽器他多重的なサウンドがヴォーカルをじっくり聴かせるよう配慮されている
◆1番「心配いらないと……笑った」(抑える嗚咽、深い感慨を丁寧に歌う)
◆2番「いつの日もひとりでは……なかったと」(ライブ盤中最も溜める)
◆2番「突然涙こぼし」劇的(美しい息を継いで)「元気で」セリフ(母の悲しみ表現)
◆2番「もう少し」「あなたの」「子供で」(フレーズごとかみしめるように)
2番「い さ せ て、くださ」「すっと終える
◆山口百恵という人の最終解

◆まとめ

  1. 名曲「秋桜」を聴いて思い浮かべるそれぞれの「おかあさん」
  2. 山口百恵シングルレコードで一番聴いた歌は?一番泣ける歌は?
  3. 「秋桜」ほど繰り返し聴いて、繰り返し泣いた歌はないです(筆者42年間シングル曲統計)
  4. 「秋桜」を発売前にテレビで見て歌詞を聴き取って覚えた…12歳のあの日に戻ってみたい
  5. 山口百恵がステージで歌った「秋桜」4パターンの歌唱を聴きくらべてみました。感動です!どれを聴いても「19○○年のライブ盤!」と当てられます(ウソ)

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