山口百恵「陽のあたる坂道」

◆「陽のあたる坂道」おもしろい作家陣 

アルバム『花ざかり』
A面2曲めの歌

「陽のあたる坂道」
歌:山口百恵
作詞:松本隆
作曲:佐藤健
編曲:萩田光雄

松本隆さんは詞を【11曲】
佐藤健さんは曲を【3曲】
山口百恵に提供しているようです
(山口百恵『百恵伝説Ⅱ』ブックレットより)

さて…
どの作品でしょう

気になりますが
後回しにして、

1曲目「花筆文字」に続いて
「陽のあたる坂道」を
聴いてみたいと思います

◆ゆらめく陽だまりの中の3人 


Jan AlexanderによるPixabayからの画像
 

穏やかで明るいピアノから
始まります

よく聴くと
坂を下っていくような
ピアノ3連符が
ゆらめいている

陽のゆらめきが
ポワポワはじける´うたかた´みたいに
漂っている
そんな坂道にいるみたい

それからコーラスが入ります
どこか昭和っぽく
平和な感じ

陽のあたる坂道で あなたとすれ違いました

女のひとと御一緒なので 声もかけられませんでした

「陽のあたる坂道」
(歌:山口百恵、作詞: 松本隆、作曲: 佐藤健、編曲:萩田光雄)

出だしの歌詞を引用してみました
百恵ちゃん明るいです
実はこの歌かなり「悲しい歌」なのに
明るく歌っていますね

主人公の印象は
控えめで
感性豊かで聡明な女性

「御一緒」という言葉遣いのせいもあるのか
日本の古風な面を
どこかに残している人
和服を着ている姿が浮かびます

あれ
そうなると1つ前の歌「花筆文字」
「花」と墨で書いていた和の世界
この味わいを引き継ぐかのように
自然な流れがある

そして
室内から光あふれる戸外へ
しっかり場面は切り替わっている

どんどん惹きつけられて
聴いていってしまいます

◆あなたとわたしは「明」と「暗」

「陽のあたる坂道」
ほんの一場面を描いただけの歌です

主人公の女性が
「あなた」とすれちがった
今まで二人一緒にのぼってた坂道で

「あなた」は幸せそう

状況を察した私は
声をかけることもできず
すごすごと坂をおりる

これだけです

外の様子「明」と
主人公の心の「暗」
このコントラストがすごいです

坂を下っていく主人公の内面に
フォーカスしていくと
ぽかぽか燃える夕刻の陽ざしとは真逆の
寒い寒いかなしみがありました

歌詞に表れている対比を
見てみましょう

「女の人と一緒のあなた」⇔「主人公(私)」

「幸せ」⇔「悲しみ」

「春」⇔「冬」

「暖かい」⇔「寒い」

「燃える夕日」⇔「夜」「青い心」

「坂を上る」⇔「坂を下りる」

「坂の上の教会」⇔「鐘が背中に響く」

この曲が収録されている
『花ざかり』は12月発売。
「冬」らしいアルバムだと思いましたが

「陽のあたる坂道」
春の暖かい世界に
ぽっかり冬のような寒さが
対比という形で描かれています

その「冬」とは
つつましやかな女性の
「心」でした

聴き手は彼女の心を想像して
「冬」を感じる
詩情とはこういうことでしょうか

◆山口百恵への提供曲『松本隆作詞』『佐藤健作曲』を探してみました 

【松本隆さんの作詞した百恵作品…11曲】

1 CHECK OUT LOVE

2 嵐ヶ丘

3 陽のあたる坂道

4 飛騨の吊り橋

5 あまりりす

6 赤い絆 (レッド・センセーション)

7 口約束

8 春爛漫

9 イノセント

10 抱きしめられて

11 愛染橋

【佐藤健さんの作曲した百恵作品…3曲】

1 陽のあたる坂道

2 恋のホットライン

3 E=MC²

◆まとめ

  1. 悲しい歌を明るく歌う山口百恵
  2. イントロのピアノがゆらめいて情景が目に浮かびます
  3. 丁寧な言葉遣いから生まれる端正な佇まい
  4. 「主人公」と「あなた」がすれ違うだけの詞ですが明暗コントラストがすごい
  5. 春の歌なのに冬の歌?心の冬を鑑賞しよう
  6. 珍しいコンビ、詞の松本隆・曲の佐藤健。他にどんな曲を山口百恵に作っているか調べてみました

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