山口百恵「嵐ケ丘」

◆ひと足先に詞だけ海を渡った「嵐ヶ丘」

アルバム『GOLDEN FLIGHT』
ロンドン吹き込み盤
B面3曲目は…

「嵐ヶ丘」
歌:山口百恵
作詞:松本隆
作曲:加藤ヒロシ
編曲:加藤ヒロシ

山口百恵「CHECK OUT LOVE」
の記事で書いたように

「CHECK OUT LOVE」同様
「嵐ヶ丘」
松本隆さんが作った詞は
ロンドンの加藤ヒロシさんに送られ
曲をつけてもらったようです

百恵ちゃん他日本からの一行は
現地に着いて初めてこの曲を聴き
レコーディングに臨みました

◆イギリス文学作品を連想させる歌

タイトルから連想するのは
エミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』でしょう
原題は「Wuthering Heights」
風吹き荒ぶ丘 とかそんな意味

山口百恵の曲は『嵐ケ丘』
「ケ」と意図的に変えたのか
小説の内容を題材にしたわけではなさそう
(読んでませんが)

でも小説『嵐が丘』の舞台は
イングランドの田舎村ハワース
イギリスで録音したアルバムから
その国の文学作品の気配が漂うのは楽しい!

◆どんな歌か聴いてみよう

3連アルペジオ
カシッカシッと刻むリズムの
不思議なまったり感

ヴォーカル直前のギターが
風と光のきらめきのようで美しい
(ギターは加藤ヒロシ氏)

百恵ちゃんが歌い出す
情感を押さえて淡々と
心地いい眠気を誘ってくる
いいですね

主人公は…
風の中一人さすらっている
あなたは…「影」
近づきそして遠ざかっていく

このはっきりした距離感に
ホッとするのは私だけでしょうか

B面
1曲目「愛のTWILIGHT TIME」
2曲目「ポートベローの銀時計」

この2曲で
一体ふたりはどうなるんだろう
と、かなり気を揉まされてきましたが
(勝手な連想)

今回は
丘の道を行く私はひとり
広い風景
ゆっくり支えるサウンド

この曲に浸っていると
荒涼とした喪失感を越えて
なにかが収束していった安堵感
…がやってきます

「さてクッキーと紅茶でも用意して
この曲もう一回聴き返そうかな」
なんて思う

まさに【B面3曲目】的な曲!
アルバム10曲の、半ば過ぎ
ちょっとした変化球というか
あれ?と思える楽曲
大好きです

◆(感想)あの夏、イングランドの草原で

『GOLDEN FLIGHT』は8月発売
夏に買って、夏に聴いていました

だから
夏の旅をしたなぁ、と
そんな思い出が強く残っています
作品にいざなわれて
めぐった旅の思い出です

LP全体の空気
演奏、リズム、声、イメージ
それらが記念写真のように
私にとってなじみ深くなったあの夏を
感じさせてくれる

案内人は山口百恵
とても楽しい楽しいツアー

で、ここで言いたいのは
日本に戻って(というのも変ですけど)
ちょっと落ち着いて
旅を振り返るとき

アルバムの中の夏を
一番鮮烈によみがえらせてくれるのが
「嵐ヶ丘」だった!ということ(私の場合)

実は今まで「嵐ヶ丘」という歌
そんなに重要視していませんでした
(本当にすいません)
でも40年も経ってついに気づいたというか
認定せざるを得なくなった

毎年毎年、夏になると
自然と「嵐ヶ丘」が耳に流れてきた
そして私も百恵ちゃんと
ハーモニーを作って歌っていた
…という事実!

だから認めたいと思います
私にとってこのアルバムを代表する曲は
「嵐が丘」です
さり気ないこの歌がいい!

◆まとめ

  1. 「嵐ヶ丘」と「CHECK OUT LOVE」は、詞を先にロンドンの加藤氏に送って曲を依頼していた(作詞:松本隆、作曲:加藤ヒロシ)
  2. エミリーブロンテの小説『嵐が丘』をイメージさせる特徴的な曲
  3. 不思議なまったり感、眠気をさそう心地いいヴォーカル
  4. リスナーがひと息つきたくなる安堵感は…「B面3曲目」
  5. 『GOLDEN FLIGHT』というイングランドへの夏旅。その思い出が焼き付いている曲
  6. 「嵐ヶ丘」はこのアルバムの代表曲になっていた!(私の40年目の気づき)

こんな記事も~

◆『パールカラーにゆれて』の中の名曲。B面の2、3曲目という位置についてもつぶやきました

⇒ 山口百恵「モノトーンの肖像画」

◆『百恵白書』の「お菓子職人」。B面2曲目。ちょっと眠気をさそうピアノ

⇒ 山口百恵「お菓子職人」

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