目次
『ゴールデン・フライト』を鑑賞してみよう
◆ロンドン録音盤『GOLDEN FLIGHT』の1曲目「MADE IN U.F.O.」
「MADE IN U.F.O.」
歌:山口百恵
作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童
編曲:加藤ヒロシ
12枚目のアルバム『ゴールデン・フライト』
(1977年8月21日発売)の
A面1曲目に収録されています
※ジャケット表記は『GOLDEN FLIGHT』
日本を抜け出して
ロンドンへ飛んだ!
イギリスのミュージシャンたちの演奏で
歌った!
山口百恵初の海外録音盤
レーベルもフライト気分を盛り上げます
スタジオについて
LPジャケット裏面に書いてありました
ちょっとカタカナ化します
【Recorded at】
The Jackson Recording Studios(イングランド)
リズムトラックス&ギター ダビング
Air Recording Studios(ロンドン)
ヴォーカル、バッキングヴォーカル ダビング
CBS SONY レコーディングスタジオ(東京)
ミキシング
オンキョウハウス(東京)
ミキシング
(アルバム『GOLDEN FLIGHT』ジャケットより)
つまり、百恵ちゃんの歌声は
ロンドンの「エア・レコーディング・スタジオ」で
吹き込んだよ~、ということらしい
エア・レコーディング・スタジオってどんなところ?
とネット検索すると
「教会を改築した」という
ものすごく立派な建物が出てくるのですが
これは1991年にハムステッドに移転した方の建物のようで
(Air Studios ホームページより)
百恵ちゃんのレコーディングは
1977年ですから、移転前
ロンドン市内中心部にあった
その跡地は、、、?(調査中)
とにかく
私は日本国内でこのアルバムを買い
自室にこもって開封しました
「海外だ!海外だ!」と旅気分
ロンドンの空気を山口百恵と共に吸いたい!
期待いっぱいで針を落としたのです
◆期待通りのいかした英国的ノリ
威勢のいいイントロ
特にドラムが入ってくると
バンドらしい手作り感があふれる
かっこいいというより
いかしてると言いたくなります
イントロでは男性の短いささやき声が、、、
なんて言っているのか歌詞カードにありました
Look at the sky baby.
you’ll never know
may be it’s a U.F.O.
「MADE IN U.F.O.」(歌:山口百恵、作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:加藤ヒロシ)
バンド全体が
男っぽい音に聴こえてくる
そこに
山口百恵のエコーのきいた
ボーカルが入ると
女らしさが際立って響く
どうなるんだろうと聴いていると
演奏と歌
息がぴったり合っていて
「百恵 in LONDONだー!」と
「♪MADE IN U.F.O.」と歌うところ
「えふおー!」
と投げ捨てるように言ってます
もう日本に戻ってこないんじゃないかと
心配になるほど
ロンドンの空気に入っている
(本質はいつも通りの山口百恵なのは重要)
キーボードの連打
弦をはじく音
金管楽器
楽しんでる風であり、
きっちり仕事してる感じがする
明るく開放的な
スタジオの光景が
浮かんでくる音です
(本当はどうか知りませんが)
◆タイトルどういう意味?
「Made in JAPAN」なら
⇒「日本製」
「Made in U.F.O.」は
⇒「U.F.O.製」
空飛ぶ円盤で作られた製品?
この曲では
「あなたこそメイド・イン・U.F.O.」と
歌っています
「あなた」って…
宇宙のどこかから飛ばされた
飛行物体で地球にやってきた
宇宙人なんじゃないかしら
SF的発想が時代にマッチしていました
「U.F.O.星人!」と
言い放つ感覚の斬新さ
しゃれたジョーク
3コーラスあって
6分近い長めの演奏時間ですが
全編ノリと情景のおもしろさ
その中心には
ヴォーカルの力というか
揺るぎない「山口百恵」が立っている
百恵withバンドに身を委ね
日本の小部屋から
別世界へ飛ぶ、それでOK
という感じの1曲目です
◆UFOを歌った歌といえば?
UFOを歌った歌謡曲は、、、?
ピンク・レディーの「UFO」!
(発売順)
1977年8月21日…山口百恵「MADE IN U.F.O.」(作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:加藤ヒロシ)
1977年9月5日…ピンク・レディー「ウォンテッド(指名手配)」(作詞:阿久悠、作曲・編曲:都倉俊一)
1977年10月1日…山口百恵「秋桜」(作詞・作曲:さだまさし、編曲:萩田光雄)
1977年12月5日…ピンク・レディー「UFO」(作詞:阿久悠、作曲・編曲:都倉俊一)
山口百恵のUFOの方が先だった!
「あなたは地球人じゃない?疑惑」
を歌った。
純粋な心を持つマイペースな「あなた」像
ピンク・レディー「UFO」は
「地球人じゃない疑惑。本当でもいいわ」
「地球の男に飽きたから」
と積極的に受け入れる
奉仕型でどこか無機質な印象の男像
「UFO」はシングル曲ですから
大衆が「えっ?」と驚く世界観は最高です
どちらも両アーティストの個性(セールスポイント)が
活かされた詞の世界だなと感服いたします
「MADE IN U.F.O.」にも「UFO」にも出てくる
共通ワードは…?
「あなた」と「もしかしたら」と
「オレンジ色の光」
オレンジ色の光が…
「横切った」と、阿木さんの詞
「私をつつみ」と、阿久さん
距離が一気に近づいてる!(驚愕)
「UFOブーム」というのが起きたのは
やっぱりこの頃(1970年代後半)だったようです
1970年代後半に日本でUFOブームと呼ばれる現象が起きた。
ピンク・レディーの楽曲「UFO」をはじめUFOを題材にした多くの派生作品が作られ、社会現象としてUFOが流行になった。(中略)
1978年に映画『未知との遭遇』が日本公開されると、そのブームは頂点に達した。フィクションのテーマとしては大変面白いので、多数の作品が製作されヒットした。(中略)
同時代に日清食品は「日清焼そばU.F.O.」と命名した即席焼きそばを発売し、現在まで販売し続けている超ロングセラーとなった。
(「未確認飛行物体」Wikipedia、「UFOブーム」の項目より引用)
ちなみに「UFO」とは、、、
未確認だけに、全部が全部「宇宙人の乗り物」を意味するわけではないです。自然現象だとかいたずらも入ってくる。そうなると小賢しい小学生なんかは「MADE IN U.F.O.」や「UFO」を聴いて、理詰めにツッコミ入れるかもしれません(無視しましょう)。
◆(筆者)中学の思い出、1977年SFブーム
私が「MADE IN U.F.O.」を聴いた中学1年生の頃
思い出すのは、、、星新一作のSFショートショート!
学校でも一番人気の作家でいろいろ読みました。休み時間には友達と星新一の話題。どれが怖かったとか、おもしろかったとか。内容を語ってもらって夢中で聴いたりしました(短いから休み時間にできちゃう)
放課後、みんなで校庭に出て真剣に「UFO」を探したこともあります。不思議系に敏感な(テレパシーが強い)女子がいて、彼女が「今日UFOきっと見える」と言った日、数人で集まって空を仰いで待ったのです。
「おう、なにしてる?」と男の先生が声をかけてきて、「先生!UFO、見えますよ今日!」とみんな目を輝かせて言う。なんだかんだ先生も気にかけて空を仰いだりして。「見つけた?」「あっあれかな」等々。
結果がどうだったか、、、?は語りませんが。大人になるとなかなか経験できない。さびしいです。
あの日の空は信じられない深いブルーでした
◆まとめ
- 『GOLDEN FLIGHT』は初めての海外録音盤。ロンドンで歌いました
- いかしたバンド演奏と息の合ったヴォーカル。リスナーも旅行気分
- 「メイド・イン・ユー!えふおー!」の投げ捨てる感じ!カッコいい
- 「空飛ぶ円盤でやってきた宇宙人」という意味?シャレています
- 6分間のノリのいい演奏。中心には揺るぎない「山口百恵」あり
- UFOソングはあの曲より百恵ちゃんが先だった!1977年8月「MADE IN U.F.O.」山口百恵。同年12月「UFO」ピンク・レディー
- やっぱり!1970年代後半、日本で「UFOブーム」が起こっていた
- 「MADE IN U.F.O.」にも「UFO」にも出てくるワードは…『オレンジ色の光』
- (筆者思い出)中学1年「MADE IN U.F.O.」を口ずさみ、星新一作SFショートショートにハマっていた
- (筆者思い出)中学1年「MADE IN U.F.O.」を口ずさみながら、校庭でUFO出現を待ちました
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◆ラジオで「17才でロンドンに行った」と。三浦友和さんゲスト出演の回です!
⇒ 山口百恵「夢のあとさき」1980/06/08 ゴールデンドラマ「赤い疑惑」
◆ラジオ回想記。百恵ちゃんはジャニス・ジョップリンを聴いていた