山口百恵「赤いシリーズ・四人の少女に捧げる 約束」

◆ドラマで演じた少女に語りかける百恵。ファンが喜ぶレアな歌!

赤いシリーズ・四人の少女に捧げる「約束」

歌:山口百恵
作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童
編曲:馬飼野俊一

『百恵白書』の4曲目に収録されています。

・テレビドラマ「赤いシリーズ」で百恵ちゃんが演じた4人とは? 

「赤い迷路」 結城明子役(1974年10月~1975年3月放送)

「赤い疑惑」 大島幸子役(1975年10月~1976年4月放送)

「赤い運命」 島崎直子(吉野いづみ、若杉京子)役(1976年4月~1976年10月)

「赤い衝撃」 大山友子役(1976年11月~1977年5月)主演

明子、幸子、直子、友子。この4人を演じた山口百恵。

「約束」という歌は、
役柄を通して一人一人の女の子のキャラクターや生き方をどう感じたのかなど、メッセージを綴った歌詞で、セリフ部分もあります。

非常にめずらしい楽曲です。ドラマのことを歌にしてしまうなんて。

ちなみに「赤い衝撃」だけが「山口百恵主演」作品で、「迷路、疑惑、運命」は「宇津井健主演」ということです。

なるほどご覧になればわかりますが、宇津井健さんは各ドラマの中心人物を熱演し、深い人間像を描き出しています。

「百恵ちゃん見~よう」とチャンネル合わせていた私も、大人になって見直すと実に「宇津井健演じる主人公」のドラマであったと気づかされました。

人として、親として、医者として。真摯に訴えかけてくる姿に感動せずにはいられません。

・「赤いシリーズ」にはこのあとも出ていた 

「約束」が作られたあとも百恵ちゃんは「赤いシリーズ」に出演しました

「赤い激流」大沢紀子役(1977年6月~11月)第1話特別ゲストのみ

「赤い絆」渋谷恵子(小島恵子)役(1977年12月~1978年6月)主演

「赤い死線」川波良子役(1980年11月7日、14日の2回放送)主演

「赤い死線」は引退記念のスペシャルドラマです。相手役は三浦友和。2人の故郷である襟裳に一緒に帰ろう!って決める。

果たして2人は一緒に帰れるのか?

宇津井健、三國廉太郎、松村達雄、高橋昌也、石立鉄男、前田吟。これまで「赤いシリーズ」で共演された俳優陣がずらり。おまけに音楽は宇崎竜童。振付西条満。役者としてジョニー大倉も!

ファンにとっても「思い出総ふりかえり講座」という感じの「赤い死線」!

百恵ちゃんの芸能活動完全引退は1980年10月15日とされてますから、引退後に放送されたのですね。

私はどんな気持ちで見たのだろう?記憶にはあるが言葉にできない。

◆組曲のようになっている大作「約束」

曲の演奏時間は9分以上!
長いです

冒頭(最後も同じ曲のショートソングを置いて4つのドラマをはさんでいる構図)
⇒「私の分身」4人へ呼びかける。はじまりはじまりの歌詞。

1番「明子へ」
⇒「赤い迷路」の明子を演じた百恵ちゃんは15~16歳。当時の幼かった自分を振り返って気持ちを伝えている

2番「幸子へ」
⇒「赤い疑惑」の頃百恵16~17歳。幸子の「私の分まで強く生きて」という言葉を思い出すことがあると歌う百恵(涙)

3番「直子」へ
⇒「赤い運命」百恵17歳。「やさしさだけが人の悲しみをとかす」とドラマのテーマをさりげなく歌う。名言

4番「友子」へ
⇒「赤い衝撃」百恵17~18歳。「青春がグランドスプリンター」

終章
⇒冒頭と同じショートソングに戻る。締めの歌詞。「ひたむきに生きることを約束したい」と語りかける。

4人の名前から「こうありたい姿」を見つけて自分の胸に刻んでいるようです。「明るく、幸福追いかけ、素直な心で、友を大切に」。百恵さんの人生に照らすとなるほどうなずけてしまう素晴らしさ。

◆聴いてみた感想など

・「冒頭」と「終章」
それぞれ1分半近くある。

出だしはストリングスを使って重厚な感じ。最初の「呼びつけにしても~」の後に入る「ポンローンロロン」って硬質な音は「ダルシマー」に似ているが「スチールギター」だろうか?この音色好きなんです!

百恵ちゃんは一語一語丁寧に明確に歌っている印象。涙を誘うとてもいい曲。

・「迷路」
シリアスなピアノソロを聴き「赤い疑惑きたー!」って勘違いするが「赤い迷路」編でした。

百恵ちゃんにしては感情をかなり盛り込んでいるが、普通に「歌うまいな~」と思ってしまう。ギターもカッコいい。

曲調が変化に富んでいて飽きないです。歌詞の内容にしては大げさかなという気もする。

・「疑惑」
セリフで始まるのが「一恵」風(谷村新司作曲)。

サビの伸びやかな声。やはりこのパート全体が、谷村新司作詞作曲の百恵への提供曲「ラストソング」を想起させる。歌い方も、谷村作品を歌う山口百恵を思わせる。

宇崎作品なのに別な一面という感じでおもしろい。

しかし開始から4分を超えるあたりから、聴き手の集中力はがんばりが必要になる。百恵ちゃんはしっかり集中しつづけている。がんばった!

・「運命」
急に曲調がポップに!

百恵ちゃんもユーモラスに歌いだすではないか!「春に吹かれて」という「夢先案内人」のB面曲のよう。

最後は他3作品と同じようにシリアスなフレーズで締めるのだが、この曲は一体どうしたものか。

でもこうじゃないと組曲の起承転結が完成しない。リスナーへのサービス、工夫なのでしょう。

私としては「約束」の中で一番の不満は「運命」におどけた明るい曲調をもってきたことなんですが、、、仕方ないこともわかってます。

・「衝撃」

「疑惑」と同じメロディーです。

「赤い衝撃」の大山友子は、少し我まま、素直、いじっぱりと。そうだったでしょうか、、、素直な印象はありますが細かくは思い出せません。

もう一度ドラマを見直したくなりました。

百恵ヴォーカルは若干鼻声ですが、明るいから聴き飽きそうだけど嫌にはならない。最後の「スプリンター~~」がいい。

◆歌詞カードにえんぴつ書きの痕跡

アルバム『百恵白書』を買った当初は、A面からB面へと曲順通り全部流すという聴き方が多かったと思います。

学校に行く支度をしながらとか、宿題する前に「レコード鑑賞」の時間としてしっかり聴くとか(体育座りなんかで)。

「約束」も、やはりドラマを思い出し感動して聴いていました。

正直今は他の百恵曲ほど聴かないし、口ずさむこともないですが、中学生のあの頃は、アルバム全11曲の中でも気に入っている歌の1つでした。

その証拠に歌詞カードにえんぴつで丸印をつけていました(タイトル左の一重丸)

緑色に黄色い文字って見づらいですね、表側は「赤」に黄色い文字!
どっちがましでしょう?

◆まとめ

  1. 「約束」は「赤いシリーズ」4作品で百恵が演じた少女についての歌
  2. 「赤」ファンに嬉しいレアな作品!ドラマを知らなくても歌から「役者百恵」は見えてくる
  3. 曲の長さ9分以上!「冒頭- 1 – 2 – 3 -4 – 終章」という組曲。
  4. 「冒頭」と「終章」、「2・疑惑」と「4・衝撃」は同じメロディー
  5. 「2 ・疑惑」と「4 ・衝撃」に、谷村新司作品の風情を感じませんか
  6. 「3 ・運命」はポップでコミカルに仕立てて変化をつけている
  7. 「終章」で4人の名前「明、幸、直、友」から見えてくる生き方。座右の銘にしたい!
  8. 百恵ヴォーカルは丁寧で明確、シリアスで楽しげ。一編を貫く集中力がすごい
  9. 歌詞カードに丸印が!「約束」に「いいね」つけてた中1の少女(わたし)


第3回百恵ちゃんまつり (1977年) MOMOE IN KOMA

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