目次
◆阿木燿子・宇崎竜童コンビによるアルバムは18才百恵の分身!
「I Came From 横須賀」
歌:山口百恵
作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童
編曲:萩田光雄
・アルバム『百恵白書』(1977年5月)
阿木燿子さんと宇崎竜童さん、
百恵ちゃんに徐々に作品を提供していき
ついに『百恵白書』で全曲お2人による
コンセプトアルバムが誕生しました
「I Came From 横須賀」は
この『百恵白書』の1曲目の歌です
▼こんな経緯▼
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⑧枚目のアルバム『17才のテーマ』(1976年4月)
初めて阿木・宇崎コンビ作品3曲入る
↓
シングル「横須賀ストーリー」(1976年6月)
初めてのシングル(AB両面)阿木・宇崎作品
↓
⑨枚目のアルバム『横須賀ストーリー』(1976年8月)
A面全6曲が、阿木・宇崎コンビの作品
↓
⑩枚目のアルバム『パールカラーにゆれて』(1976年12月)
A面に1曲、B面に1曲、計2曲が阿木・宇崎コンビ作品
↓
⑪『百恵白書』(1977年5月)
11曲全てが、阿木・宇崎コンビによるアルバム
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リアルタイムの私は
小学校6年生の終わり頃に
⑩『パールカラーにゆれて』にハマったため
1枚前の
⑨『横須賀ストーリー』も買って聴く
これからも百恵ちゃんのアルバムは絶対買うぞ!
さー早くこい!
と、完全に待ちの態勢でした
そこへ
⑪『百恵白書』発売!
中学に入学したての5月
予約して手にしたと記憶してます
あのうれしさ
わくわく感
・「百恵の人となり」を取材して創り上げた!
『百恵白書』について、
『プレイバック 制作ディレクター回想記』(川瀬泰雄著)にはこんな記述があります
まず阿木さんに、百恵のコンサート・ツアーに同行して頂き、百恵との会話の中で百恵の人となりを直に取材して、詞を書いてもらうことになった。
(『プレイバック 制作ディレクター回想記音楽「山口百恵」全軌跡 』(川瀬泰雄 著)P169より引用)
「百恵の人となり」が
息づいているアルバム!
収録されている11曲の詞の中に
百恵ちゃん情報を探りながら
親しみをもって歌を聴きました
それから
『百恵白書』の百恵ちゃんは
ジャケットの写りといい
歌の雰囲気といい
今までより「おねえさん」に感じられました
「コンセプトアルバム」であり
阿木さんの詞と宇崎さんのメロディによって
舞台ががらっと変わったことも
一因かもしれませんが
◆待望の1曲目「I Came From 横須賀」何これ?ずるい!
・イントロ
やったーー!
新譜を待ってたファンにまずこれ!
みんな第一声は「やったー」だった(はず)
ピアノがたたく高音のリフレイン
低音部もカッコよく
どこか破壊的
ドラムの乾いた音
そしてギター
「待った?ごめんね、最高でしょこのサウンド」って言ってるよう
サングラスにくわえたばこの
ロックンローラー(イメージ)
・ヴォーカル
そしてヴォーカル
「♪横須賀から」と
主役百恵ちゃんがリズムをつくる
まかせろとばかり続くギター
副音声みたいに
延々同じ音を刻むギター音
(気づいた瞬間からこの高音ばかり耳に入る)
・このレコードは買い!
コーラスを従えて
表現を変えながら歌う百恵ちゃん
ピシッ!とシンバル
またピアノのモチーフ。
『快速特急』がまざまざと浮かんでくる
「♪あなたに会いに来た」
あなたって?
もちろんレコード聴いている【あなた】のこと
(二重の意味としても)
えっ?私に会いにきたの?
単純にうれしい
1曲目「I Came From 横須賀」って
ずるい曲です
「このアルバム買いっ!」と
がっつり思わせてくる
◆横須賀っ子の百恵ちゃんが品川に着くまで
・「♪駅の名前をそらで言えるの」
同じく『プレイバック 制作ディレクター回想記』から引用させていただきます
ここに、百恵取材後に、阿木さんと打ち合わせをした時の、阿木さん直筆の企画書代わりの2枚のノートの用紙が残っている。阿木さんが考えた曲のタイトルと、詞に書こうとしている内容が書かれている。この企画書をほんの一部だが紹介してみる。
A面
1)I Came From Yokosuka
百恵ちゃんは京浜急行の横須賀から品川までの駅名をソラで言えるということなので、それを盛り込んで…(『プレイバック 制作ディレクター回想記 音楽「山口百恵」全軌跡 』(川瀬泰雄 著)P170より引用)
「横須賀」から「品川」までの駅名
本当にソラで言えたんですね
横須賀っ子だもん
駅名なんて自然に覚えたわ
って得意気なところが素敵です
あるいは幼い頃
「かなじゃわぶんこのちゅぎどこ?」
なんて家族で問答あそびで覚えたのか
(こんな幼少じゃないか)
・サビは楽しげな百恵ちゃん
百恵ちゃんの低めな声は
渋さ、重量感が生きてて
とてもファンキー
そしてサビは
「さあ~きた!聴いて!」的な大展開じゃなく
ミュージシャンのノリに返すように
明るさがこぼれでている
リスナーは思わず
レコードジャケットの百恵を見る
表は愁いをたたえたまなざし
裏は笑顔の百恵
裏ジャケ飾っとこ!
ってなる確率は高い
・3コーラスめの「♪会いに来た」
出発駅【横須賀】
汐入
追浜
金沢八景
金沢文庫
上大岡
井土ヶ谷
日ノ出町
横浜
鶴見
川崎
品川
3コーラスかけて
全12駅そらで歌います
1、2番の「会いに来た」は
似た感じで歌う
最後の「会いに来たー」だけ
声を長く伸ばして広がっていく
改札に「あなた」を見つけ
両腕を広げて駆けよるみたいに
◆感想~「I Came From 横須賀」を自分で歌うと
前半は気分よく歌えるんです
駅名もおかげさまで
ソラで言えます
(ほぼ京急に乗ることはない私だが)
【サビの部分】が難しい
まずキーが微妙
自分に合うキーを探そう
「♪けいむふろむよこすか」
中1で習う英語ですが
子音の問題なのか
伸びやかにいかないところが
ストレス発散には向かない
「武道館ファイナルコンサート」でも
「横須賀サンセット・サンライズ」の次に
歌われました
その
2コーラス目
「♪あなたに会いに来た」のあと
百恵 ♪yeahーー!
これでスッキリ
◆まとめ
- 18才の百恵ちゃんに阿木燿子さんが同行取材して創った『百恵白書』
- 快挙!LPの針を落とすと「I Came From 横須賀」イントロ!やったー!と叫んでしまうカッコよさ
- 「快速特急まかせとけ!」ノリノリの演奏隊は細部まで聴くとおもしろすぎて
- 「♪あなたに会いに来た」とファンキーに歌う百恵、「わたしに!」とよろこぶファン
- 山口百恵はいつ・どうやって「京浜急行」の駅名12個を暗記したのかは謎
- アルバム・ジャケットの表と裏。「愁いver.」と「微笑みver.」どっちを飾るか楽しみ方いろいろ
- サビ「came from」は中1英語。でも意外と難しい!
- 「武道館さよならコンサート」の「I Came From 横須賀」のライブらしさがいい!
プレイバック 制作ディレクター回想記 音楽「山口百恵」全軌跡
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