山口百恵「走れ風と共に」

『パールカラーにゆれて』最後を飾る曲は?

◆音楽鑑賞会のラスト1曲~走れ風と共に!

「走れ風と共に」
歌:山口百恵
作詞: 千家和也
作曲: 佐瀬寿一
編曲: 馬飼野康二

シングル「赤い衝撃」のB面で
A面・B面、2曲とも
山口百恵・三浦友和共演の
TBSドラマ『赤い衝撃』の
テーマ曲でした
(1976年11月発売)

アルバム『パールカラーにゆれて』
では、B面6曲目に収められています
(1976年12月発売)

12曲のラスト
「走れ風と共に」で締めくくりです

アルバムを1曲めから順番通りに
聴いてきた私たちの
ここでおしまい
本当にお疲れさま
今どんな心境でしょうか?

1つ前の曲
「オレンジ・ブロッサム・ブルース」は
【盤】12曲の中でも傑作!集大成!と
感動して聴きました

この「走れ風と共に」
感動の熱を鎮めながら
じわじわ癒されていくような曲

旅行カバン をまとめて
 旅 全体を思い起こすとき

その上で
「あたしのアルバム
聴き終わっても大丈夫よさあ」と
この先に少し希望を見せてくれる
そんな歌

締め括りにふさわしい名曲だと思います

◆百恵ヴォーカルを控えめに支える演奏

 演奏に耳をこらそう 

「オレンジ・ブロッサム・ブルース」の
ピアノは消えて
「走れ風と共に」
キーボードでしょうか

それから
ギター、ベース、クラリネット?、
トライアングルみたいな
きらめく音色と
控えめなストリングス

奥の方で聴こえる
ベースギターと
弦の静かなリズムと
心が落ち着くとともに
かなしさも感じられるのは不思議です

ここでは百恵ヴォーカルがしっかり聴こえて
演奏陣は控えめなように感じます

そうそう
アンコールをお願いされた歌い手さんが
再びステージに現れ
「今日は本当にありがとう」なんて言って
歌い始める最後の曲とも聴こえる

聴く側って「構成」まで想像して
楽しめるんですね

 アルバムに付録(資料・動画)をつけてほしい 

アルバムを聴くということは
企画、制作をした人たちのことや
曲の並び方の意図
楽器、演奏はなぜそうなのか、、、
いろいろなことに思いを馳せます

なぜなら
「1枚のアルバム」として
楽しく深く聴きたいから

もっと詳細を知りたいと思う反面
知らないから
勝手に想像する余地もある

でもせめて、
使われている楽器
ミュージシャンだけでも
詳細を載せてほしいですね
(『パールカラーにゆれて』には
記載ありません)

あと
楽器と演奏者たちの、
写真、コメント、
全パートの譜面なんかも、、、

スタジオでの録音シーンも!
演奏部分のレコーディングと
百恵ちゃのレコーディング
「動画」で見たい!

思いつくままに要望を書きました
「裏方は明かさないのさ」と
言われるかもしれませんが

音楽ですから気になるのは当然で
いろんな資料、映像を付加することで
音楽の聴き方の幅が広がり
需要も増えていくはず

あれば、の話ですが

◆ドラマ「赤い衝撃」半年の放送~おかげて乗り切れた新学期

 ドラマ挿入歌「走れ風と共に」 

「走れ風と共に」はドラマ「赤い衝撃」の挿入歌ですが
毎週流れるわけではなかったと記憶しています

ドラマの終盤くらいに百恵・友和のツーショットがあり
未来にほの明るい展望が開けてくる、、、というところで
♪「走れ風と共に」イントロが

絶妙です

「ああいい歌だな」って
完全にドラマの世界に入りこんで
心に響いてくるのです
(乗せられている幸せというか)

外の視点から
百恵ちゃんの声が
全て包むように届く
そんな風でした

友達とつながる話題「赤い衝撃」

次の日、学校へ行くと
友達とドラマの話をする
私は「走れ風と共に」がいい!と
興奮冷めやらぬ口調で言う
中学1年の思い出です

ドラマが
1976年11月から
1977年5月まで
半年間なので
放送中に小6から中1になってるんですね

学校も友達も変わったのに
ドラマは続いている
そして挿入歌は
百恵ちゃんの希望をくれる歌

おとなしくて、劣等感ばかりの私が
あの新学期を乗り切れたのは
「走れ風と共に」のおかげかもしれません

ちなみに
「赤い衝撃」は毎週金曜日の放送
当時公立の学校は
土曜日も昼前まで授業があったのだ
(半ドンという)

「赤い衝撃」最終回(1977年5月27日)
タイトルは「愛よ走れ!」だった(泣)

◆走れ!百恵ちゃんにはめずらしい命令形

1コーラスめの歌詞より

走れ風と共に 悲しみ捨てて

愛を胸に抱いて 明日へ急げ


「走れ風と共に」

(歌:山口百恵 作詞: 千家和也、作曲:佐瀬寿一、編曲:馬飼野康二)

2コーラスめの歌詞より

流せ熱い涙 心ゆくまで

愛に瞳とじて ふるえて眠れ

「走れ風と共に」
(歌:山口百恵 作詞: 千家和也、作曲:佐瀬寿一、編曲:馬飼野康二)

命令形口調が4つ繰り返されています

 本のタイトル命令形だと? 

通常、命令形って強い表現ですよね
最近は、タイトルに命令形の含まれる
書籍が多く出ているように感じます
こうしろ!ああしろ!と

本屋でそんな本を見つけると
「タイトルが命令形だから買わない!」と
私なんかは思ってしまい実際買いません

強いんです言葉が
「そこまで言うなら買おうかなこの本」とか
「えー!そうなの?じゃあその通りにしよう」
って踊らされやすい

 だれがだれに?分裂構造を解く 

「走れ風と共に」の命令形は

走れ、急げ

流せ、眠れ

かっこいいなとも思えるし
作詞の千家和也さんの言葉か?
一体だれがだれに言ってるの?

山口百恵の遠のいた視点が
主人公自身に向けて激励している
分裂した構図みたいに感じられます

ドラマ「赤い衝撃」の主人公は
スプリンター(短距離走者)でしたから
スポーツ選手らしい言葉ではある

 パターン1 走れ、急げ 

「走れ風と共に」の命令口調は
強いからイヤだということはなく

倒れた者
傷つけられた弱い者
人生放棄したいほど辛い時

やっと
立ち上がってみよう、、、と思えた時

ほの暗い場所から
己を見つめている自分がいて
もがく自分に向けて歌っいてる

「走れ」
「急げ」

曲も哀しいトーンで始まり
だんだんリズムが鼓舞するように
盛り上がっていきます

やはり励まし

重要なのは
自分を無理やり鼓舞しているのではなく
走りたい
急ぎたい
、、、と心の底から思って言っている
ということ

愛する者のために
走れ自分!

いいシーンです

 パターン2 流せ、眠れ 
一方2コーラスめは?

「流せ熱い涙」
「ふるえて眠れ」

この命令形は
自分による自分自身への言葉とは
違う感じがします

もっと普遍化されたものへ
見えない声が言う

命令形でありながら
いいんだよ、と
許すようなやさしさがある

若者よ、精一杯生きている人よ
遠慮なく泣いていいからね
眠ればいいんだよ
と大きく束ねているよう
(ドラマっぽい)

その後の詞
「遥か彼方にある、、、」から
「私には」まで徐々に
主人公自身の歌になっていく

 ライブでも聴きたい百恵の凛とした歌 

ドラマ「赤い衝撃」と
合わせて鑑賞すると
思いは倍増すると思いますが

ドラマと全く切り離して
曲を聴いても
歌手山口百恵の
凛とした空気があっていい

願わくば
ライブで「走れ風と共に」
歌ってほしかった!

歌詞の最後
「愛としか答えられない」
こんな名言を
生で聴きたかったと思う

◆おまけ~百恵ソング・命令形の歌詞

他の百恵曲で命令形ってあるのでしょうか?
ほんの一部探してみました

・「BLACK CAB(ロンドンタクシー)」
詞:ジョニー大倉
♪ドンドン行け わくわく

「ヒ・ロ・イ・ン」
詞:谷村新司
♪帰る時間よ 行きなさい

「サンタマリアの熱い風」
詞:谷村新司
♪オレーオレーオレオ 血の酒を飲め

「アポカリプス・ラブ」
詞:阿木燿子
♪蒼ざめた馬を見よ それは死

◆まとめ

  1. LP『パールカラーにゆれて』鑑賞会はこれでおしまい。いかがでしたか?
  2. 名残り惜しい、だから力をくれる歌でアルバムは終わる
  3. キーボードの主旋律、ベースや弦のリズム、金属音のきらめき~全体に控えめな演奏
  4. アルバムの演奏に関わる情報、映像もほしい!音楽を楽しむリスナーの願いです
  5. ドラマ『赤い衝撃』挿入歌「走れ風と共に」は中1の私の思い出(実に40年以上前)
  6. この機会にドラマ『赤い衝撃』も観てみよう
  7. ライブで聴きたかった「走れ風と共に」~百恵ちゃんの凛とした空気の中で
  8. 命令形の表現、どう感じるかはいろいろ。励まし、許し、投げかけ。
  9. 毎日精一杯負けずに、熱く生きてる人たち!「なぜ?」「愛としか答えられない」
  10. (おまけ)山口百恵の歌、命令形の歌詞って他にある?少し探してみた

こちらの記事も
・ドラマで共演、三浦友和さん、百恵引退、、、
⇒ 山口百恵「さよならの向う側」

・もう一度アルバム鑑賞会の最初に戻るなら、、、
⇒ 山口百恵「パールカラーにゆれて」

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