山口百恵「涼やかなひと」

『パールカラーにゆれて』B面4曲目「涼やかなひと」

アルバム『パールカラーにゆれて』(1976年12月発売)

B面の4曲目は「涼やかなひと」
作詞: きすぎえつこ、作曲: 船山基紀、編曲:船山基紀

アルバム『パールカラーにゆれて』には
次の12タイトルが収録されています
(改めて確認)

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A面

  1. パールカラーにゆれて
  2. ある1ページ
  3. 嘆きのサブウェイ
  4. 君に涙のくちづけを
  5. 雨に願いを
  6. モノトーンの肖像画

B面

  1. 赤い衝撃
  2. 愁いノート
  3. 青春の翳り
  4. 涼やかなひと
  5. オレンジ・ブロッサム・ブルース
  6. 走れ風と共に

————————————–

1曲目から順にB-3まで
聴いてきました
全体を眺めると

「B-4」には
どんな曲がくるか

なんとなくの予感が、、、

軽くて

楽しい

明るくて

かわいらしい

そんな曲?

予感を裏切ることなく
「涼やかなひと」は
ライトで楽しい歌のようです

「セオリー通り」明るく軽快~B面3、4曲目

サンバ調のリズム
軽いステップを踏んで
踊れそうです

それから
ヴォーカルが入る直前
演奏の、段階的な盛り上がり方は

アルバム『百恵白書』に入っている

「ボーイッシュ・ベイビー」

を思い出させる

聴き比べてみると
速さも曲調も違うんですけど

あおるような
迫りくる感じは共通しています
(アレンジどちらも船山基紀氏)

しかも「ボーイッシュ・ベイビー」
B面3曲目に位置している!

やはり「アルバムのこの辺」に
明るくポップな歌
というセオリーでしょうか

でも間違いなく
「涼やかなひと」の方が
胃もたれしない、
軽い、と思う

こういう歌が入っている意義
すごく大きいのです

百恵ヴォーカル~「ポップな落ち着き」という謎

詩の内容は

————————————
朝決まった時刻に
ランニングして
風のように涼やかに走り過ぎていく
「あのひと」

どこの誰とも知らないけど
垣根越しにそっとみる
それが「私の日課」
————————————–

こんな内容です

朝の一場面
「私」の素適な遊び心

小中学生にも
いやむしろ若い人こそ
「わかる~」って共感できる!

「あのひと」の性格や価値観は
ひとまずどうでもよくって
朝の清涼感
ときめく一瞬
気づかれず見送るドキドキ感

これです

やっぱり明るくて軽い

百恵ちゃんはどんなふうに歌っているでしょう?

ノリノリの打楽器など演奏に支えられ
キュートに
自然に歌っています

なんか落ち着くな~

山口百恵が落ち着いた性格かどうか
ということはさておき
百恵ちゃんの声は
聴く人を落ち着かせる

このことに尽きると
アップテンポの明るい曲なら
なおさらそう思います

どうしてか
「無駄にはしゃがない」
「作り笑顔でもてなさない」
そんな歌い方だから
聴衆は疲れないんです

決して良い悪いじゃなく
「とくと楽しませてさしあげよう」的な芸が
素晴らしくできてしまうタイプと

ナチュラルな感じで
すごく個性を伝えてしまうタイプと
(こちらの方が才能は目立たない)

それぞれあるのではないでしょうか

私なんぞ
遊園地とか
あっと驚くパーフォーマンスとか
「開催側に全てお任せで楽しませてもらう」
という形式のものは
あまり好きじゃないので
後者が好きなのかもしれません

人それぞれです

天才的歌唱へ!~1年後の百恵「言はぬが花」

「涼やかなひと」
そのタイトル通り
アルバムの中でも
ひとときの清涼剤のような役割で

「せつなさ」
「嘆き、翳り」
「青春」など
心に響いてくる曲たちを聴いてきた我々を
さらっと一呼吸分
休ませてくれました

他のアルバムでも
こんな風に清涼剤のように
配置されている歌があります

『パールカラーにゆれて』から
1年後(1977年12月)に発売された
『花ざかり』という
山口百恵13枚目のスタジオアルバム

そのA-4曲目
「言はぬが花」
(作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:若草恵)

私はこの歌を思い出すのですが
重い曲想、悲しい歌の狭間で
「言はぬが花」
ちょっとおどけたかわいらしい歌で
アルバム内の清涼剤と言えます

「涼やかなひと」の1年後の百恵ちゃんということで
あえて2つを比較してみると

「言はぬが花」
百恵ちゃんの
表現技巧の飛躍的な成長、と見ることもできれば

いやいや、
昔のままナチュラルなんだよねとも思える

自然に歌ってるのだとすると
こんな自然に表現できるのかと驚嘆するし
ショーマンシップによる技術
だとすると
ここまでナチュラルに見せることが可能なのかと
やっぱり驚いてしまう

高度なテクニックか
天然か

、、、天然はないと言われそうですが
天然に近い雰囲気があります

私は当初
「このレコーディングの時の百恵ちゃん
よっぽと楽しい気分でノリノリで
うきうきしてたのかな」と
思いました

もはや聴衆は
「だまされないからね」と
全身耳にして聴くという態度を
進んで、快く「放棄する」

素直にいいと思うなら
分析は不要

話が横道にそれました

一服の清涼剤シリーズにおける
サービス精神発揮の系譜という視点で

その後リリースされた百恵アルバムを
縦割りで辿っていくと、、、

「クラブサンドウィッチはいかが?」A-5

「涼やかなひと」B-4

「ボーイッシュ・ベイビー」B-3

「言はぬが花」A-4

「喰べられてしまった獏」B-3

「神様のおぼし召し」B-3

こんな風にピックアップできるでしょうか
B-3とB-4がやはり多い

最後のオリジナルアルバムに入っている
「神様のおぼし召し」
もはや別の境地?

真面目さの隠せない百恵ちゃん
お疲れさま、、、と思ってしまう私です

まとめ

  1. B面4曲目?どんな曲調か予想できるようになろう
  2. 明るく軽快な歌のセオリー~「涼やかなひと」で胃もたれ回復
  3. 百恵ヴォーカルの秘密~常にナチュラルで落ち着いていること
  4. 百恵のショーマンシップ?~B-3族の系譜があるよ

こちらもおススメ

⇒B-3 「青春の翳り」

⇒  百恵ちゃんの魅力とは~「初恋時代」

⇒  「パールカラーにゆれて」

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