山口百恵「青春の翳り」

『パールカラーにゆれて』B面3曲目「青春の翳り」

アルバム『パールカラーにゆれて』
(1976年12月発売)B面の3曲目は

「青春の翳り」
作詞: 千家和也、作曲: 佐瀬寿一、編曲: 船山基紀

「せいしゅんのかげり」
きれいなタイトルです

昭和の風景が浮かびます
それとも
カーペンターズや
グループサウンズ風?

「青春の影」
(歌:チューリップ、作詞・作曲:財津和夫 編曲:チューリップ)
という名曲もありました、1974年発売。先です。

「影」

「翳り」

たった1文字違うだけで
それぞれ広がる世界は違う

百恵ちゃんの「青春の翳り」は
すぐ前の曲「愁いノート」からの流れで

次はどんなブルーな気分を歌ってくれるの?と
期待感が高まります

悲しげで無防備に聴こえるから、、、

♪イントロ

とっさに浮かぶのは
「司会者がナレーション入れてくる?」
そんな感じ
テレビの懐かしの歌謡ショーみたいな

聴き進むと

「君に涙のくちづけを」(A面4曲目)

と共通する
悲しげな雰囲気になっていく
(同じお三方の作品でした)

百恵ちゃんのヴォーカル
とても確かで
悲しげ

そしてまた無防備な
立ち姿が見えてくる

なぜかしら

悲しげで無防備だから
ずっと耳を傾けたくなります

押してこないということ

そこでやさしくする?~百恵の危険なほっこり感

急ぎましょう 風の中を

愛は待ち続けてくれない

もしつまづいて もし倒れても

青い空が 私たちを見つめていてくれる

(歌:山口百恵、作詞: 千家和也、作曲: 佐瀬寿一、編曲: 船山基紀)

♪「急ぎましょう~」から
調子が変わっていって
音程が難しくなる

空へと
花開いていくような

おもしろい変化

♪「青い空が~」以降が
一番ドラマチックな箇所です

「青い空が」
「私たちを」
「見つめていて」

この3か所は
演奏も3度アクセントつけて
盛り上げています
(ドラムシャカン~あり※2番は無し)

よく聴くと
3度めの♪「見つめていてくれる」
とってもやわらかく歌っている

3回あるから3回パンチ!
ではないんですね

私たちは
♪「見つめていて」
強調して(場合によっては泣きを入れて)
くるんじゃないかと構えていたのに

期待は裏切られ
マイルドで明るくやさしい~

こういう百恵ちゃんに
思わずほっこりしてしまい
丸めこまれます

やっぱり
押してこないということ

文芸的悲しみが見えてくる~2コーラス目の翳り

間奏
チェンバロみたいな音色が?
なんの楽器かわかりません

そして
2コーラス目の出だし

なんと寂しげに歌うことだろう

♪「心は結ばれて」

「こころ」の発音

ちょっと虚ろで、物思いに沈むよう、、、

百恵ちゃん主演の文芸映画

『絶唱』
『風立ちぬ』
かなしみの風景が

声の向うに広がって見えてきました

これは山口百恵ならではの
響きなのです

こうしてサビまでずっと
かなしみと
少しうつろな
沈んだトーンでつづく

「急ぎましょう」から
力強く展開してゆく

「この手につかめるまで」~
強くハッキリ歌います
一瞬のカンツォーネ

その加減がちょうどいい

全体としてさりげなく美しい
百恵歌謡です

「私たち」に良かったねと祝福~連ドラは続く?

「あなたと二人」
「私たち」

歌詞のこういう言い方から
温かい愛の絆を感じます

具体的な二人の出来事は
よくわかりませんが

「アルバム」的聴き方をするなら

これまで「8曲」の作品の
いろいろなストーリー
登場人物たち

その記憶から
「あの二人ね」、、、と
考えてしまったり

素晴らしい青春だったと知り
「良かったですね」と
祝福したくなる

「愁いノート」の次だから
なおさらです

この後、B面ラストにくる
「走れ風と共に」という歌と
すこし似ている作風ではありませんか?

「青春の翳り」
その分損しているかもしれません

サビでの変貌していく感じは
「青春の翳り」の方が
素晴らしいかなと
私は思います

友だちと聴く一体感

昭和の私の思い出としては

「青春の翳り」を友だちと一緒に聴くと
歌詞に影響されて
一体感を感じていたように思います

歌詞が抽象的だから
友情の歌としても聴けてしまう

同世代(小学6年のクラスメイト)だということ
一緒に先へ進もうって未来をみること

自分たちの状況に引き寄せて
「歌」から感じとっていました

そうそう、体育でマラソンやってた時

黙々と走っていると
友だちの姿を見つけて
走って近づいて、合図する

また黙々と走る

そんな時「青春の翳り」が支えてくれた

1976年の冬(小学校卒業間近の冬)はとにかく、
このアルバム12曲の世界に入ったまんま
学校に行ってたようなもので、、、

中学は彼女と別の学校になってしまったので
連絡も疎遠になりました

だからなおさら1976年の冬は
美しい思い出になっています

まとめ

  1. 悲しげで無防備な歌声は聴かずにいられない
  2. 百恵のやさしさに丸め込まれる箇所がある
  3. 文芸映画の風景まで見えてくる百恵歌謡
  4. 歌詞の「私たち」って?とにかく祝福したい謎な歌
  5. 「青春の翳り」は辛いマラソンの授業のとき歌おう


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A面6曲目⇒ 山口百恵「モノトーンの肖像画」

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